広範囲腱板断裂および変形性肩関節症
肩腱板断裂でほとんど断裂の範囲が大きく、腱板が残っていなかったり、短縮していたりする広範囲肩腱板断裂では手が挙がらなくなったり、疼痛が強くなったりした場合、手術により腱板の修復はできないため、特殊な形態をした専用の人工肩関節置換術を行います。これはリバース型人工肩関節と呼ばれ、欧米では以前より使用実績のあり、近年日本でも手術可能となり、腱板が大きく断裂して修復ができず、手を挙げることをあきらめていた患者さんも手術によって手をあげることができるようになり、疼痛も改善するため全国的に症例数が増加しています。ただし、この手術を行うには、術者の肩関節手術件数等の資格が必要で、手術が行える病院は限られています。当院では通常の腱板断裂に対して関節鏡を用いた鏡視下腱板縫合術を行い、腱板の修復が難しい状態の患者さんにはリバース型人工肩関節置換術を行います。