センター(スポーツ)
スポーツによる外傷、障害に対して、手術的または保存的なアプローチで診断治療をしています。まずは、正確な診断が必要です。的確な診察とレントゲン、超音波、CT、MRIでの画像をあわせて行います。リハビリテーションもスポーツリハビリテーションを専門に行う理学療法士が指導をしながら、スポーツ復帰に向けて行います。
担当ドクターはJリーグ藤枝MYFCのチームドクターをしており、プロサッカー選手の手術も多く経験しています。また、全国で102名、静岡県では2名しかいない膝関節鏡技術認定医の資格を有しています。
なるべく早く復帰ができるようにスポーツ選手に対しての手術加療はなるべく早く手術ができるように対処させていただいています。
手術は特に膝前十字靭帯損傷に対する前十字靭帯再建術で再建方法をより安定性を得るように本当の靱帯がついている場所に正確に靱帯を再建し、良い成績を得て学会発表しています。担当ドクターはこれまで600例以上の前十字靭帯再建術の経験があり、所属チームのプロサッカー選手も手術を行い公式戦に復帰させています。
- 膝前十字靭帯再建術は日々進化しており、最近は骨孔をもとの前十字靭帯付着部に作製することはもちろんのこと、その骨孔を長方形に作製し骨付き膝蓋靭帯を用いて再建前十字靭帯をねじれさせ3次元的にももとの前十字靭帯に近くなるように最新の知見に基づいた前十字靱帯再建術を行っています。
- また、ハムストリング腱を用いて2本靭帯を再建する方法も行っています。骨孔を大腿骨と脛骨側に2個づつあけてねじれをつくり2本の腱で前十字靭帯を再建します。傷が少し小さくてすみますが、術後早期のリハビリテーションが膝蓋靭帯を使った場合と比較してゆっくりになります。また、骨付き膝蓋靭帯と違い、骨での癒合は期待できません。当院では強度の低いスポーツをしている女性にはこの方法をすすめています。
円形の骨孔を大腿骨と脛骨側に2個ずつあけてねじれをつくり、2本の腱で前内側、後外側線維束を再現した前十字靭帯を再建できる
MRIでしっかりとした靭帯が2本再建されている
肩関節鏡は、肩関節鏡視下手術専用の手術台と上肢保持機を用いて施行しています(T-MAX、spider)。これを使用することで手術時間が短縮し、手術精度が向上しています。反復性肩関節脱臼(鏡視下バンカート修復術)や腱板断裂(鏡視下腱板縫合術)に対して関節鏡で小侵襲手術を行うには技術が必要ですので行う施設は限られています。反復性肩関節脱臼のプロサッカー選手に手術を行い公式戦に復帰させています。
足関節の靭帯損傷に対して靭帯縫合や靭帯再建を行っています。サッカーで特に多い骨棘による足関節前方の痛みや三角骨障害による足関節後方の痛みに対して足関節鏡による骨棘切除や三角骨切除を行っています。関節鏡をもちいた骨切除は侵襲が少なく早期復帰が可能な手術です。
足関節後方の疼痛の原因である三角骨を内視鏡を用いて小皮切で切除します。
月曜午後と水曜午後の週2回スポーツ外来を行っています。予約制ですが当日予約も可能です。紹介も随時受けていますので電話か直接来院でご予約ください。当院ではパートナーとして接骨院との連携も行っています。
スポーツ外来担当医師
阿部雅志(専門分野:スポーツ整形、膝関節、肩関節)
副院長、浜松医科大学臨床教授、医学博士、関節鏡技術認定医(膝)
日本整形外科学会専門医、日本スポーツ協会スポーツドクター、運動器リハビリテーション医、日本スポーツ整形外科学会代議員、中部日本整形外科災害外科学会評議員、東海関節鏡研究会幹事
2010~現在 藤枝MYFCチーフチームドクター
2021~2022 東海サッカー協会医事委員長
2004~2006 清水エスパルスチームドクター
2002 日韓サッカーワールドカップ静岡県医事担当
主な所属学会
日本整形外科学会、日本関節鏡.膝.スポーツ整形外科学会、日本スポーツ整形外科学会、日本肩関節学会、日本Knee Osteotomy and Joint Preservation研究会
主な研究分野
軟骨、靭帯の再生 2002年 医学博士を取得し浜松医科大学大学院卒業
中村光志(専門分野:スポーツ整形、股関節)
日本整形外科学会専門医
主な所属学会:日本整形外科学会、日本関節鏡.膝.スポーツ整形外科学会、日本スポーツ整形外科学会、日本股関節学会
2018~藤枝MYFCチームドクター
H21年からR4年の前勤務病院スポーツ外来における主な手術執刀数
膝前十字靭帯再建術(関節鏡)430件
膝後十字靭帯再建術(関節鏡)11件
その他膝靭帯再建、縫合術 89件
膝関節鏡視下手術(半月板等)のみ1255件
肩関節鏡視下手術(鏡視下バンカート修復術、腱板縫合術、その他)524件
足関節靭帯再建、腱制動、骨切除、骨軟骨移植等 238件