膝前十字靭帯損傷
主にスポーツで膝を捻ることで前十字靭帯の断裂がおきます。相手との接触で損傷することもありますが、ほとんどが方向転換、ストップ、ジャンプの着地で自分で膝をひねって損傷します。膝にはそのほかに後十字靭帯、内側、外側側副靭帯があり、大きな外傷が加わったときはこのような靭帯の損傷も伴い、複合靭帯損傷がおきることもあります。前十字靭帯が損傷しても通常、1ヶ月ぐらいで痛みは減り、軽く走れるため大丈夫だと思って見逃されることもあるのでスポーツで膝をひねって腫れたら前十字靭帯損傷を疑いMRIの撮影をして診断することが必要です。前十字靭帯損傷がきれて膝を何回もひねっていると半月板損傷、軟骨損傷がおき若くても変形性膝関節症になっていくこともあります。前十字靭帯は断裂したらもとのようにつなげて治すことはできないため靭帯を他の組織を使って作りなおします。
再建するために使う靭帯は主に膝蓋腱とハムストリング腱があります。また、ACLを1本で作る方法と2本で作る方法があります。近年さらに専門的になり、靭帯をとおす骨孔を大腿骨側と脛骨側のもともと靭帯が付いているところにあけるようになり、従来法とは位置が異なります。担当ドクターはこれまで600例以上のACL(前十字靭帯)再建術の経験があり、プロサッカー選手の手術も行っています。当院での手術方法についてはスポーツ外来のページに詳しく記載していますのでご参照ください。
術後リハビリテーションについて
術後膝の動きの獲得は翌々日から早期開始され、装具をつけての荷重は3、4日後から行います。筋力トレーニングをしながら、2ヶ月からジョギング、ランニング等が開始され、アスレチックリハビリテーションをえて6ヶ月でのスポーツ復帰を目指します。術後のリハビリテーションも大切になります。当院ではスポーツリハビリを行う理学療法士がおり、復帰までのリハビリの指導を行っています。術後リハビリが可能な病院やクリニックから紹介していただいた場合はそちらでお願いすることもできます。