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回復期病棟とは
脳血管疾患または大腿骨頚部骨折などの病気で急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さまに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻っていただくことを目的とした病棟です。
患者さまに対し、チームの各担当スタッフが入院後すぐ、寝たきりにならないよう、起きる、食べる、歩く、トイレへ行く、お風呂に入るなど(これらを「日常生活動作」(ADL)といいます)への積極的な働きかけで改善を図り、家庭復帰を支援します。
当院では、平成22年2月より回復期リハビリテーション病棟(40床)を開設しました。リハビリ対象疾患の割合は運動器疾患が53.9%、脳血管疾患が40.0%、廃用性疾患が6.1%となっております。在院日数は平均が55日、疾患別では運動器疾患が39日、脳血管疾患が72日、廃用性疾患が53日 また在宅復帰率は93.8%となっています。(令和4年度)
対象疾患及び入院期間
対象疾患 | 入院期限の上限 |
---|---|
脳血管障害、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症又は手術後、義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
高次機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の脊髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 | 180日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術後の状態 | 90日 |
外科手術又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後又は発症後の状態 | 90日 |
大腿骨、骨盤、脊椎、股関節又は膝関節の神経、筋又は靱帯損傷後の状態 | 60日 |
股関節又は膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
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入院から退院までの流れ
患者さまの身体機能や、生活環境・目標に合わせて、医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・管理栄養士・薬剤師・ソーシャルワーカーが連携し、リハビリを行なっていきます。病前の生活リズムを作る目的や着替えの練習を踏まえ、日中は病衣ではなく私服で過ごしていただきます。
入院時カンファレンス
入棟された日にカンファレンスを実施し、他職種で情報共有を行います。
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本人・家族面談
担当医師・スタッフより、患者さまの現在の身体状況・日常生活の介助レベル・今後の見通しなどを説明し、ご本人・ご家族からのご希望を伺いながら、今後の対応や方針を決定します。
充実した個別リハビリテーション
早期の社会復帰、在宅復帰を目指し理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が集中的な個別リハビリテーションを提供します。患者さまがより良い生活を過ごせるように看護師と連携し、病棟で日常生活動作(着替え、食事、入浴、排泄など)の練習を行います。
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自宅訪問指導
担当スタッフがご自宅を訪問し、退院後の生活を想定した家屋評価、ご本人・介助する方のために具体的な介助方法や必要な福祉用具・住宅改修の選択をご家族と一緒に行います。
また、自宅での調理や洗濯動作などの練習も行っています。
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退院前カンファレンス
ご本人、ご家族、ケアマネジャー、サービス事業者と、病棟のスタッフで情報共有を行い、健康管理・介助方法の指導、退院後利用できるサービスの相談を行い、在宅生活での不安を解消できるよう話し合いを行います。
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その他
屋外活動
屋外には四季を感じることができるリハビリ庭園もあり、歩行練習や気分転換も行うことができます。また、リハビリ庭園には、患者さまとリハビリスタッフで作り上げた菊川農園があり、在宅復帰に向けて農作業の練習も行っています。
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離床活動
個別リハビリテーション以外に、患者さまの活動性向上を目的としてテレビ体操やきくがわ体操を行っています。患者さま同士のコミュニケーションの場ともなっています。
また、手芸や塗り絵、貼り絵なども行っています。
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回復期リハビリテーション病棟を退院された患者さまの声
- 親身になって治していただいて感謝しています。この病院に来て良かったです。
- 先生や看護師、リハビリの先生皆さんに励まされ元気になりました。
- 地域の人たち皆救われています。
リハビリテーション科
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