認定看護師とは
特定分野において、熟練した技術や知識を用いて、水準の高い看護を提供します。
看護現場では実践・指導・相談の3つの役割を果たし、看護ケアの質の向上を図っていきます。
当院の認定看護師
菊川市立総合病院では、8名の認定看護師が在籍し、それぞれの認定分野で活躍しています。
緩和ケア認定看護師(村山陽子)
緩和ケアは、がんや病気が進行した時期に限らず、受診から診断、そして治療中も自分らしく過ごせるように支援するのが役割です。体のつらさだけではなく、心のつらさや生活スタイルの確保など、医学的なことと並行して社会制度の活用も含めた幅広い対応をしていきます。
「つらさを和らげる」という緩和ケアの考え方を早い時期から取り入れることで、症状を緩和しながら日々の生活を送ることができます。当院は、医師4名・認定看護師1名・薬剤師・管理栄養士・リハビリ・社会福祉士・医事課で構成したチームで病棟ラウンドを行い、患者さまやご家族、スタッフをサポートしています。また、カンファレンスや勉強会を行い、多職種が共同してより良い方法を考えていけるようにしています。
私たち緩和ケア認定看護師は、患者さまご家族の身近な存在として、「つらさを和らげる」ことをお手伝いします。いま・そしてこれからを、あなたらしく大切に過ごしていきましょう。
皮膚・排泄ケア認定看護師(横山明子)
皮膚・排泄ケア認定看護師とは、創傷・ストーマ・失禁の分 野に関連した専門的なケアを提供する看護師です。3つの分野 を医師や看護師、栄養士など他職種と共同し、専門的視点で、処置やケアの検討・実践・評価を繰り返し、より良い方法を考えケアを行っています。
*創傷・・・褥瘡(床ずれ)や下腿潰瘍など治りにくい傷がある方の治癒促進のためのケア、褥瘡発生や皮膚トラブルを予防するためのスキンケア
*ストーマ・・・ストーマ(人工肛門)を保有する型のセルフケア指導や装具選択、日常生活アドバイス
*失禁・・・排尿・排便障害、それに伴う皮膚障害で、お困りの方のスキンケア相談、おむつの選び方・使い方のアドバイス
患者さまや、ご家族のライフスタイルを考慮したうえで、安心して日常生活を過ごせるように支援させていただきます。当院の患者さま(入院・通院)やご家族だけでなく、施設入所中の方や、在宅看護や介護に従事されているサポートスタッフ(ケアマネージャーや訪問看護師など)の相談にも対応させていただきます。お気軽にご相談ください。
感染管理認定看護師(長谷川尚美)
患者さま及び職員を感染から守ることを使命として、感染を「広げない」「持ち込まない」「持ち出さない」ために、感染防止の教育、相談、調査などを行なっています。院内感染が発症した場合は、感染の起こった現場の調査や感染対策の支援を行い感染が拡大しないように努めています。菊川市まちづくり出前行政講座に登録し、地域の皆さまの感染予防のお手伝いもさせていただいています。
がん化学療法看護認定看護師(岡本知子)
化学療法室で、がんの点滴治療を受ける患者さまの看護に従事しています。化学療法とは、いわゆる『抗がん剤』と呼ばれているがん細胞に対して、効果のある薬剤などを使用した、薬物療法のことです。
使用する薬剤は、日々進化をしており、その薬剤を理解するには、専門的な知識が欠かせません。
そのために、治療薬の作用・副作用に対する知識の習得を行い、副作用がある場合には、必要なケアを患者さまに提供していきます。
また、従事する看護師が、安全・確実に点滴を実施するために、点滴投与に関する手順書づくりなども行います。がんの治療法は、疾患 によってガイドラインがあり、医師によっては、複数の選択肢を提示 されることもあります。患者さまにとっては、この治療法を選択するにあたり、難しく感じ、様々な迷いや不安を持たれます。そのような患者さまの相談役となる事も大切な役割です。
患者さまによっては、入院される方もいますので、その場合には、入院場所の担当看護師と連携をしながら、安心して適切な治療が受けられるようにサポートさせていただきます
認知症看護認定看護師(高畑 さえ子)
超高齢化社会となり、認知症の方が増えています。そして、認知症の方が病気や怪我で病院へ入院することも多くなっています。認知症の方が病院へ入院すると環境の変化や身体疾患の症状により混乱し、認知症の症状が悪化することがあります。
そのような認知症の方に対して、その人らしさを大切にし、不安を軽減し、安心して適切な治療・看護を受けることができるようサポートさせていただきます。
当院では、医師・精神保健福祉士・薬剤師・作業療法士・検査技師の多職種で認知症ケアチームを構成し、認知症についての理解・知識を深め、入院されている認知症の方や不安や混乱がある方に対して、認知症の症状の悪化を最小限に防き、入院の原因となった身体疾患の治療に専念できる環境を提供できるようサポートさせていただきます。認知症ケアチームをはじめ、病院全体が認知症の方やその家族に寄り添い、温かく安心できる関わりを目指しています。
糖尿病看護特定認定看護師(平川 亜紀)
糖尿病とは、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の糖尿病、妊娠糖尿病などに分類されます。病気や罹
患期間によっても治療や病気に対する悩みは大きく違います。
糖尿病や糖尿病合併症をもつ患者さんと家族が、治療や生活で困っている些細なことにも耳を傾け、療養生活を一緒に考えることで、その人らしく生活ができるようにサポートさせていただきます。治療においても特定分野を活かし、患者さんの生活スタイルや思いに寄り添い、包括的なアセスメントをもとに医師と治療内容を相談しながら、よりよい生活ができるように丁寧に関わっていきます。
当院では、糖尿病療養指導委員会があり、外来、入院に関わらず専門的知識をもつ看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、検査技師が関り包括的に糖尿病の患者さんに関わらせていただきます。
摂食・嚥下障害看護認定看護師(田邉 敬博)
「食べる」ことは私たちにとって欠かすことのできない行為であり、楽しみでもあります。摂食嚥下障害とは、その「食べる」ことが困難となり、十分な栄養や水分を摂ることができなくなった状態のことです。その原因は脳血管疾患やがん、神経難病、加齢に伴う食べる能力の衰えなどと様々な要因が挙げられます。その対象は小児から高齢者までと幅広く、人間の一生を通して関わっていきます。
摂食・嚥下障害看護認定看護師の役割は、摂食嚥下障害のある患者さんへの嚥下評価や食事介助方法の確立、スタッフへの口腔ケアや安全な摂食時のポジショニング、食事介助方法の指導教育、栄養サポートチーム(NST)活動への参加、摂食嚥下機能低下の評価・誤嚥性肺炎・窒息・低栄養・脱水等の予防を目的としたリスク管理が主に挙げられます。
医師、看護師、薬剤師、言語聴覚士、栄養士など多職種と協働し、患者さんの「食べる」ことへの楽しみや喜びを大切にした QOL の向上、栄養摂取することの意志決定を支援していきます。
精神科認定看護師(岡村巨和子)
精神疾患は、同じ疾患であっても同じとは思えないほど、症状の現れ方が個別です。そして他の人のこころ(精神)は、簡単には理解することができません。だからこそ、その人に関心を向け、尋ねることが重要になります。私は、患者さんの「強み」を信じ寄り添いながら、患者さん自身がその人らしい生活を築けるよう、患者さんやご家族、医療スタッフ、地域の支援者と、共に考え、悩みながら実践を行っていきたいと思います。
また、超高齢化社会の中で、精神科病棟だけでなく、一般病棟にも精神的健康に援助を必要としている方が増えています。精神疾患を持ちながら、身体治療を受ける患者さんや身体治療が契機となった不安や不眠、精神的苦痛に対応し、こころと体のバランスが整えられるようサポートさせていただきます。
認定看護師への相談方法
当院の認定看護師は、それぞれの特定分野の専門性を活かして、地域の看護ケアの質の向上に貢献しています。
地域の医療・介護・保健の専門職のみなさまからのご相談は、専用FAX用紙でお受けしています。
FAX送信先 地域医療支援課 0537-35-2843
※お急ぎの場合は、病院代表(0537-35-2135)から各認定看護師宛てにお電話ください。
※勤務の都合上、すぐに対応できない場合があります。
※回答は、FAXさせていただきます。
CNニュースレター
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令和6年度第31号-令和5年度第25号
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