ごあいさつ
院長ごあいさつ
菊川市は静岡県の南西部に位置し、菊川市の由来である菊川の中流域に位置しています。当院は、人口約4万8千人を有する菊川市が運営する自治体病院であり、前身である共立菊川病院を継ぎ、平成17年、市町村合併に伴い菊川市立総合病院と改称されました。以前はJR菊川駅近くに病院がありましたが、平成10年、病院新築に伴い現在の東横地に移転しました。
当院はお茶畑や水田に囲まれた丘陵地に建ち、病室からはのどかな田園風景を眺めることができます。また、病院敷地内に植えられた桜やつつじなどの樹木と相まって、静かで、落ち着いた環境で診療を受けることができます。
当院の病床数は一般病床202床(急性期病床118床・回復期リハ病床40床・地域包括ケア病棟44床)と精神科病床58床です。また、院内に健診センターを併設しており予防医療にも力を入れています。
菊川市の人口当たりの医師数は全国の約半数であり、県内でも医師が不足している地域の一つとなっています。この少ない医師数の下で効率的に住民に必要な医療を提供するため、当院は家庭医の養成と地域医療連携に力を入れています。
まず、家庭医とは診療科の枠を超えて幅広い領域の病気や外傷に対応できる医師をいいます。平成21年、磐田市立総合病院、公立森町病院と恊働して、当院は静岡県家庭医養成プログラムを立ち上げました。現在(平成31年4月)、指導医10名の下でレジデント他11名が研修に励んでいます。平成23年8月には、家庭医養成の拠点施設である菊川市家庭医療センターを菊川市の南部(旧小笠地区)に開設し、外来診療のほか、病状が重く通院できない患者さまには訪問診療を行っています。当院は急性期治療から回復期機能までを持つケアミックス病院であり、家庭医による訪問診療も合わせると、全国的にも珍しい体制の地域密着型病院となっています。
次に、広域的視野で病院間の連携を深めることで、医療資源を効率的に活用しています。開業医の先生からの紹介患者、救急患者は当院でできるだけ初期診療を行います。そして、当院では対応困難な症例とわかれば高次機能病院を紹介します。また、当院や近隣の病院で急性期治療が終了しても自宅退院できない患者は、回復期機能病棟で在宅復帰のためのリハビリやケアを行います。
その他の当院の特色は精神科病棟を有していることです。特に力を入れているのは、近年患者数が著しく増加しているうつ病の治療であり、数年前に病棟を改築して個室化を進め、静かな環境で入院生活が送られるようにするとともに、県内では実施している施設が少ない電気けいれん療法を行っています。
また、平成31年度より、目には見えませんが、健全な組織文化の醸成に取りかかる予定です。「1.自分を知って、幸せに生きる」「2.思いやりの心で、他人を幸せにする」「3.共同体感覚で、組織を幸せにする」の段階的行動指針を策定し、学びと実践により職員の成長を促します。
中小の自治体病院はどこも厳しい状況におかれています。そんな中でも、当院は地域の皆さまが安心して暮らしていける医療を提供できるように、職員一丸となって努力してまいります。
2019年4月
院長 松本有司